坂道は上るもの

乃木坂46についてメインに書いていますが、時折、勉強や旅行や法律問題についても書いています。乃木坂46のファンの行動についても統計分析を行っています。

イメージで現実を見ていませんか?

 

 

 

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はじめに

  • 坂道グループが誕生して8年が経ちました。2016年に欅坂46、2019年に日向坂46(旧けやき坂46)が誕生しました。各グループには必ず最年長と最年少のメンバーがいます。最年長といっても20代前半であることもあります。最年少は僕より10以上離れていると思うだけでゾッとします。年長寄りであることをますます自覚されられます。そんな今回は坂道グループの最年長メンバーは誰のイメージが強いか調査しました。乃木坂46に関しては、卒業生も選択肢に入れました。今回の調査でラベリング効果(レッテル)についても調査しました。結果の解釈と言われればそれまでですが、事実よりもイメージで動いていることについても触れてみたいと思います。今回はアイドル要素よりも分析要素を強めにしていこうと思います。

 

調査内容・統計情報

  • Twitter上で坂道グループ(乃木坂46中心)ファンを対象にアンケートを行いました。各グループの最年長メンバーを選択肢にしましました。佐々木久美さん(日向坂46)、渡辺梨加さん(欅坂46)、新内眞衣さん(乃木坂46)、深川麻衣さん(元・乃木坂46)の4択でしたが、フォロワーさんから岩瀬佑美子さん(元・乃木坂46最年長)という回答もいただきました。アンケート機能上は187票ですが、リプでいただいた岩瀬さんをカウントすると188票になります。ご投票ありがとうございます。投票の際には五十音順に並べましたが、統計処理を行う際に年齢の若い順から1とし、最年長を5と、以下のようになります。

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調査結果 グラフ

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調査結果 表


 

佐々木久美=1

渡辺梨加=2

新内眞衣=3

深川麻衣=4

岩瀬佑美子=5

 

  • 統計情報ですが、有意水準を5%とした場合、今回の結果は統計的に優位ということはできませんでした。有意確率が8%台でした。乃木坂46内でも6%台であと一歩及ばずといったところでした。これを一つの傾向としてとらえていただけると嬉しいです。このような統計結果になった要因は、新内さんと深川さんに票が集まり、佐々木さんや渡辺さんの間に票差が生まれなかったことも一つの要因であると考えられます。各選択肢に票差が生まれて、あと100票ほどあれば5%を切った可能性はありますが、断定はできません。500票あっても票差がなければ、5%を切るどころから10%すら切らないこともあります。投票結果を見ていきましょう。

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統計情報(4点尺度)

 

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統計情報(5点尺度)



 

投票結果から見えてきたものは?

  • 一番多く票を集めたのは新内さんでした。2位とトリプルスコアをつけるほどのダントツです。僕のアンケートを作った時の予想はもう少し深川さんに票が集まると思っていました。票の7割も占めるとは思ってもいませんでした。佐々木さんや渡辺さんはグループでは最年長ですが、坂道グループで言えば、中堅クラスになるのではないでしょうか。坂道グループで比較して、この2人への投票が少なかったのではないかと思います。グループの垣根を越えると全体で評価して投票していると言えます。佐々木さんや渡辺さんに投票された方は熱心な欅坂46か日向坂46のファンでないかと思われます。
  • 新内さんに票が集中しました。これはクイズではないので、正解・不正解などはありませんが、設問に「現役」という文字は付けていませんので、卒業生も含まれることを暗示しているととらえることもできます。設問から現役の最年長を探し、投票された方もいるはずです。現役と言う文言がなくとも現役を指していると思われたのかもしれません。これは設問者と回答者の意思疎通が取れていないことを表しています。つまり、設問の作り方に問題があるということです。アンケートは多様な解釈をさせないように設問を作るのが基本です。これは回答者によって解釈の仕方が異なる玉虫色のアンケートです。実際の街頭でやっているアンケート調査でこんな設問があれば、アウトです。正しい結果など得られません。ただし(言い訳をします)、今回はラベリング効果を示す調査ですので、アンケートに欠陥を持たせました。深川さんを岩瀬さんにしたらほうがより面白い結果になったかもしれませんが、僕が、深川さんが好きなので、深川さんを選択肢に入れました。今回のアンケートで一番正しいのは岩瀬さんになるでしょう。そういう意味では僕も間違った認識をしていることになります。

 

 

ラベリング効果が表れた

  • 新内さんが最年長で多く票を獲得した理由は2つ考えられます。1つ目が先ほど書いた現役であると解釈できたため、もう1つが乃木中などの番組でのイメージです。これらの土台に乃木坂46の人気というのもあります。実は今回、大きく作用したのは番組などでのイメージ、つまりレッテルが大きく作用しているのではないかと考えられます。新内さんは最年長であることから、ことあるごとにBBAとテロップが出ます。ウサギの絵を描いて、年齢が出ていたことはありましたが、深川さんの在籍当時(当時最年長)にBBAと深川さんにそのテロップが出たことはなかったはずです。乃木坂46ファンであれば、ハマった時期に関係なく、深川さん在籍時のことは調べていて、あの時期にハマっておけばよかったと思うファンが多いほどです(僕もその一人です)。当時深川さんが最年長であったことは知っている方のほうが多いはずです。岩瀬さんになると加入から1年半弱で卒業されたこともあり、深川さんよりあまり広く知られていないかもしれません。今回はイメージ調査と言うこともあり、知識としては深川さんが年上だけれども、イメージは新内さんという方が多かったのではないでしょうか。
  • 実はこのイメージは自分たちが勝手に作ったイメージではなく、発信者側のイメージがそのまま自分のイメージになっています。そのイメージが自分の中で形になり、ある対象に対してレッテル、つまりラベリングしていることになります。今回のケースだと、新内さんの年長イメージがBBAという言葉で表現され、それをファンが見ます。回数を重ねるごとにそのイメージは増長していきます。気づけば、最年長=新内さんというイメージになっています。深川さんが新内さんより年上であるということを知っていてもそう思ってしまいます。これは単なるイメージ調査の結果ですが、我々の考え方やイメージは誰かに植え付けられたものである可能性があることを示しています。ルネ・デカルトはすべてを疑った結果「我思うゆえに我あり」という言葉を残しました。すべてを疑っても、考えている自分だけは嘘偽りのない存在であるという意味です。ナルシシストの台詞ではありません。

 

  • こんなアンケート調査でここまで大きい話をされるのかと思われた方がいらっしゃるかもしれません。我々のイメージは現実世界で起こっていることを正しく映し出しているか怪しく思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。差別や偏見は無知から生まれると言います。それに加えて、植え付けられたイメージがもともと持っている差別感情を煽り、その感情を増大させてしまいます。差別感情は誰にでもある感情で持つこと自体が悪ではなく、人間として当然と思ってください。差別感情がない人間なんていません。差別感情が大きくなるのは植え付けられたイメージと合致したり、自身が不安な状態に陥ったりするときです。人間は高度な脳をもってしまったが故に、物事を正しく理解することが非常に難しくなりました。人間は、脳の記憶容量を小さくするために、ラベリングすることでカテゴライズし認識しています。いちいち全部を個別ファイあるに保存していたら脳が持たなので、カテゴライズします。今回のアンケート調査もまさしく新内さんを最年長とラベリングし、深川さんより新内さんのほうがそのイメージが強かったことが投票結果につながったと考えられます。伝染病が流行すると差別は起こります。その差別は今書いたようなラベリングが悪い意味で発展したものです。今回のアンケートを通じて、自分の見ているものは本当に正しいのかと考える機会になればと思います。