坂道は上るもの

乃木坂46についてメインに書いていますが、時折、勉強や旅行や法律問題についても書いています。乃木坂46のファンの行動についても統計分析を行っています。

外国語を話せれば、何でもできる?

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はじめに

  • 前回はマルチリンガル=万能というイメージは間違っていて、単なる幻想です。外国語が話せるからすごいのではなく、その話している人がいるその場面を切り抜けたことがすごいのです。重要なことは自分の意見を述べたり、ピンチを切り抜けることであり、そのために知識や経験を積みます。単に外国語だけが話せるようになったからと言って大きな意味を持つことはありません。自分の意見を外国語で述べることができて初めて意味を成します。そして、その経験を積むことはは語学力を上げることより難しくハードです。語学力を伸ばす方がはるかに楽です。そんな今回は外国人とコミュニケーションを取る上で重要なことについて書いていきます。

 

 

重要なのは外国語を覚えることじゃない

  • 外国へ行って、外国人と話すときに相手の国のことより自分の国について聞かれることが多いです。そのときに日本のことについて答えられなければ非常に恥ずかしいです。日本では愛国心と言えば、国粋主義者とそしりを受けますが、他の国では愛国心を持つことは危険な思想を持っているというよりも、むしろ当然のことだと思われています。外国語は話せるが、自国のことについて何も知らないとなると彼らは少し冷ややかな目で見られる可能性があります。ましては、自国を毛嫌いするような発言を繰り返していれば、この人のアイデンティティーやプライドはないのかと思われ、距離を置かれるようになります。
  • 逆に外国語が拙くても、自国の知識があれば、彼らから冷遇されることはありません。外国人が日本人に求めているのは彼らの出身国についての知識より日本のことをどれだけ知っているかです。そして、日本に憧れを持つ外国人は非常に多いです。その憧れの日本人が日本のことについて知らなければ、興ざめしてしまいます。もし、憧れの人が中身のない人だったら興ざめしますよね?それと同じです。特に発展途上国から留学に来ているような人であれば、将来その国の将来を担う可能性のある人です。そんな彼らが日本人の価値観を知ってしまえば、日本ではなく別の国を参考にしたり、仲良くしたりします。詭弁の域になってしまうかもしれませんが、回りまわって日本にとってマイナスになってしまうことがあります。語学を身に付けることも重要ですが、彼らのそのイメージを壊さないためにも自国への理解を深める必要があります。

 

国語学部は語学学校ではない

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  • 中学や高校で英語が好きで外国語学部に進学されている方や文学部の外国語系の専攻されている方は多いと思います。これまでボロクソに書いてきたからここでもこれらの学部は無意味だと書くのではないかと思われたのではないでしょうか?その期待を裏切ることになります。これらの学問は外国語を理解するうえで必要です。ただ、進学する側が外国語学部へ行ったら英語が話せるようになるといった幻想は抱かないでほしいです。確かに、多くの外国語学部を持っている大学ではカリキュラムに留学が組み込まれています。
  • しかし、学部側の考えは留学で外国語を話せるようになるだけではなく、その言語の感覚やその言語圏の価値観などを学ぶことを目的としています。その手段としての英語(外国語)なのです。留学先では現地の大学生と一緒に授業を受けます。それはその言語を覚えるためではなく、その先にある言語の概念への理解するためです。単に英語(外国語)を話すのであれば、英会話スクールで十分です。大学まで行って、外国語を勉強するのは話せるようになるだけではなく、話している言語について理解を深めるためです。そこから派生して翻訳であったり、通訳であったりを外国語学部では研究するのです。日本語を英語にしたり、英語を日本語にしたりするときに日本語や英語にない概念が出てくることもあります。以前取り上げた「いただきます」もその1つです。
  • 国語学部は英語を含めた外国語が好きという気持ちだけではなく、その言語に対する探究心が求められます。その気持ちを入学当初はなくて、その気持ちがどこかで芽生えれば、有意義な進学だと思います。それが芽生えずにずっと外国語を話すことだけに固執している人は在学期間を無駄にしていると思います。大学へ進学してまで外国語を勉強するということはそれ相応の気持ちがなければなりません。それは他の学部でも同じです。大学はすぐ使えるようなスキルを身に付ける場所ではありません。そのようなスキルを身に付けるのは専門学校です。大学はあくまでも研究をする場所です。

 

最後に

  • 繰り返しになりますが、外国語は話せるに越したことはありません。外国人と接する機会は今まで以上に増えているのも事実ですし、特にビジネスにおいて日本国内だけで完結することは年々難しくなり、他国との関わりが重要になっています。その時のコミュニケーションツールとして英語は絶対に必要になります。しかし、英語(外国語)だけが話せるだけは無意味です。彼らとコミュニケーションを取る上でも、自分の意見や考えを持っていなければ存在価値はないに等しいです。冒頭の外交官やエリート商社マンは自分の意見を述べ、交渉しています。コミュニケーションを取る上で言葉は重要ですが、それ以上に自分の考えはもっと重要です。言葉は自分の持っている知識や考えを相手に伝える手段です。自分の考えは内面で、言葉は外面です。外面は簡単に取り繕えますが、内面はそう簡単に取り繕うことはできません。外国語で冗談を言い合えるようになれば、上級者と言われるのは相手を笑わすだけのネタを持ち、伝えることができるからです。外国語を流ちょうに話すことに焦点が当てられることが多いですが、この言葉の真意は相手を笑わせるだけのネタを持っていることではないかと思います。外国語ができるからと言って万能ではありません。凡人です。