坂道は上るもの

乃木坂46についてメインに書いていますが、時折、勉強や旅行や法律問題についても書いています。乃木坂46のファンの行動についても統計分析を行っています。

引っ付いたり、離れたり

 



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はじめに

  • みなさん化学は好きですか?僕の周りで文系で化学が好きと言っていたのは数人です。文系で化学が好きな人は変わり者が多いと言われますが、僕もその一人ということなりそうです。化学と言えば、ザ・実験ではないでしょうか。変な文字や単語が並ぶ嫌いな人からするとじんましん出るほど嫌いと言う人もいます。化学への苦手意識の原因と克服方法、そして勉強の仕方について書いていこうと思います。化学は物質が引っ付いたり、離れたりを繰り返すだけのことです。基本はそれだけです。その引っ付いたり、離れたりに変な名前がついてわけがわからなくなってしまします。なぜそんなに名前が違うのかと思われるでしょう。

 

 

科学と化学

  • 科学は主に理系分野のことを指し、科学は理系分野の思考方法と思っていただけると嬉しいです。さらに、最近では社会実験などで文系分野にも応用されています。以前取り上げたアンケートを使った実験は社会科学で、科学的手法を用いています。実験も科学的手法に基づく検証方法です。科学の話をすると哲学の話にさかのぼることになるので止めておきます。僕もそこまで科学思想について詳しくかける自信がありません。。。。
  • 化学は前者の化学と区別するために「ばけがく」と言われることがあります。こちらの化学は、物質の変化です。先ほどの「引っ付いたり、離れたり」です。化学はわがままな原子の振る舞いに付き合わされます。「裸足でSummer」のヒロインに振り回される主人公と思っていただけると嬉しいです。化学は科学に含まれます。化学の分野は理論化学と言って、酸化還元、中和といった大枠の部分と、無機化学有機化学といって各物質の特徴を説明した部分に分かれます。今回は前者の理論化学の部分を見ていきます。

 

聞いたことあるよ。モルって

  • 化学で一番初めにつまずくのがmolです。この考え方がわからないと化学はしんどいです。裏を返すとmolがわかると化学は楽になります。サッカーで言えば、ボールの蹴り方に当たります。どのように蹴るかさえ分かれば、後はテクニックや実践で力を付けるだけです。これができないと化学を理解するのは難しいです。
  • molは物質量といい、原子が6.0×1023個集まった数と教えられます。これだけで理解できる人は将来ノーベル賞も夢ではありません。僕を含め、たいていの人は「はあ?」となるはずです。そこから「物質量ってなんやねーん」となり化学を避けようとします。物質量は一定数と決められています。簡単に言うと、10個=1molといったように個数を基準にした単位です。例えば、コメ10粒と石ころ10粒では重さは違いますが、個数は一緒です。molは個数と覚えましょう。次に1molあたりの重さについて説明します。
  • 1molあたりの質量は原子量や分子量にg(グラム)を付けると1molあたりの重量になります。例えばですがC(炭素)の原子量12、O(酸素)の原子量16とした場合、Cの1molあたりの質量は12gで、O2の1mol当たりの質量は32gとなります。酸素はO2として存在するため、Oだけで存在することはないので16×2=32gになります。molを見たら、まず物質ごとの1mol当たりの質量を書いてみましょう。原子量は問題文に必ず書いています。厳密な原子量は小数点以下の数字が細かいため高校レベルではざっくりとした数字にしています。なので、出題者が先に原子量を提示しています。

 

練習問題をやっていきましょう

  1. H=1、O=16、Na=23、Cu=64
  2. H2(水素)の1molあたりの質量
  3. H2O(水)の1molあたりの質量
  4. NaOH(水酸化ナトリウム)の1mol当たりの質量
  5. CuO(酸化銅(Ⅱ))の2mol当たりの質量

 

答えはのちほどお見せします。

 

 

この問題を考えてみましょう。

水素2gから水を作るとき、酸素は何グラム必要でしょうか。

2H2+O2→2H2O

 

  • 1gと答えた人はいませんか?化学反応式の係数は質量ではなく物質量を表しています。この場合、水素2gは1molです。反応式の係数はそのままmolの比率になります。水素:酸素:水=2:1:2なのでそこに数字を当てはめると、酸素は0.5molとなり、0.5mol×32g=16g必要になることがわかります。molのベースは質量ではなく個数です。人に置き換えるとわかりやすいです。修学旅行のグループを作るときに3人1組で1グループ作ると思います。化学もこの考え方に近いです。これを質量ベースにして3tで1組を1グループとすれば、1クラスでは足りなくなってしまいますし、グループを構成している人数がめちゃくちゃになります。まとまるときは数ベースのほうがわかりやすいですようね。それはmolも同じです。molは化学の分野では欠かせません。molがわかると化学の計算はしやすくなるのです。molがわかると数字を入れて計算するだけです。反応式とmolの関係がわかると化学はもっと楽になります。

 

物質量と重量の答え

  1. 2g
  2. 18g
  3. 40g
  4. 160g

 

 

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周期表(出典:化学の迷路) 書き込み筆者

 

酸素以外も関わっている酸化還元

  • 酸化還元は理論化学でつまずく人が多いです。僕の高校時代の記憶では理系でもこの分野は苦手な人が多いです。理由はmol同様、ややこしいからです。なぜややこしいのかを見ていきましょう。
  • 酸化還元と言えば、①酸素をもらうか取られるかと教わりますが、実はそれだけではないんです。②水素をもらうことを還元、取られることを酸化と言います。そしてももう1つ③電子を取られるのが酸化、電子を受け取るのが還元です。問題によく出るのは電子の受け渡しについてです。それでは、見ていきましょう。

 

Cl2+2Na→NaCl

  • これを見て一発で酸化還元反応と分かった人は、酸化還元はわかったも同然です。大半の人は単に塩素とナトリウムから塩化ナトリウムを生成しただけだと思われます。実はこれれっきとした酸化還元反応です。
  • 酸化還元反応で重要な電子の受け渡しについて説明する前に酸化数という言葉を覚えてもらいます。酸化数とはある物質が酸化している度合いを示すものです。酸化数ってどうやって求めるのか思われるはずです。酸化数のルールについて説明します。分子や原子が単体で存在しているときは酸化数の合計は0(ゼロ)です。例題の場合、塩素もナトリウムも酸化数は0です。塩化ナトリウムの場合は酸化数が異なります。ここで役に立つのが周期表です。周期表の右側、希ガスに近づくほどマイナスイオン(陰イオン)になりやすい物質です。酸素や塩素、フッ素はマイナスになりやすい物質です。逆に左側に行けば行くほどプラスイオン(陽イオン)になりやすい物質です。陽イオンになる場合は電子を捨てて陽イオンになり、陰イオンになる場合は電子をもらって陰イオンになります。なぜこんなことをするのかというと、電子の形だけでも希ガスにしたいからです。希ガスは安定した物質なので、どの物質も安定を目指して、希ガスになろうとします。そのため、電子を捨てたり、もらったりすることで安定しようとします。
  • 塩化ナトリウムの酸化数を見ましょう。NaClの酸化数は0ですが、NaとClは酸化数0ではありません。Naは陽イオンになりやすい物質で電子を一個捨てます。電子はマイナスなので捨てると、酸化数は+1になります。ClはNaから電子をもらう側なのでマイナスになります。電子を受け取るので酸化数は-1になります。これを式で表すと

 

  1. Na→Na++e-
  2. Cl2+2e-→2Cl-
  • これを合わせると電子を表すe-が消え、塩化ナトリウムの反応式になります。
  • イオン化している場合の酸化数はハロゲンが-1、酸素が-2であることが多いです。水素とアルカリ金属は+1で、BeやMgとアルカリ土類金属は+2であることが多いです。
  • 窒素(N)や硫黄(S)は物質によって酸化数が異なります。
  • 窒素(N)の場合、アンモニアと硝酸で酸化数が異なります。
  • アンモニア(NH3)はHが3つなのでNは酸化数-3になりますが、硝酸(HNO3)だとHが1つと酸素が3つなので+1+(-2×3)=+5になります。
  • 硫黄(S)も同様で、硫化水素(H2S)のSの酸化数は-2で硫酸(H2SO4)のSの酸化数は+6になります。酸化数がプラスに偏っている物質は酸化数を減らしたくて仕方がありません。そのため、反応しやすい物質、よく言われる危険な物質になります。酸素や塩素やフッ素も単体ではなく、イオンになりたがる物質で反応性の強い物質です。そのため、危険な物質です。基本的に反応性の強い物質は危険な物質と思ってください。

 

最後に

  • ざっくりですが、化学についてまとめました。分野も絞っているので足りていない部分などはあります。今回書いていない分野についてコメントなどで頂けると嬉しいです。化学は物質が引っ付いたり、離れたりを繰り返すだけのことです。その現象が酸化や還元と呼ばれたり、中和と呼ばれたりと様々ですが、起こっていることは引っ付いたり、離れたりです。ただ、物質は一回反応を起こすと元に戻ることは非常に難しいです。塩化ナトリウムを塩素とナトリウムにしようとすると電気分解をしないといけませんし、水に溶かして行う場合はイオン交換膜を使用しなければなりません。非常に厄介です。化合物の姿では害がなくとも、分解したらどちらも非常に危険な物質です。塩素は有毒ガスで、混ぜるな危険で発生するガスです。塩素は臭いもあり、黄緑色のガスなので、においや色で危険を察知することができます。もし塩素ガスを吸ってしまった場合は新鮮な空気を吸いましょう。その際、屋外で空気を吸うようにしてください。屋内だと塩素ガスを吸い込む恐れがあります。ナトリウムは水と激しく反応し、大量のナトリウムを水と反応させると爆発します。水と反応したナトリウムは強塩基の水酸化ナトリウム(NaOH)になるので、皮膚を侵食します。実は単体で存在するときは非常に危ないです。こういった化学反応で命を落とすこともありますが、逆に命を救うこともあります。医薬品などはその典型例です。体の悪いものを除去しようと薬が化学反応を起こしたり、促進させたりします。また食物から摂取たんぱく質を体内でアミノ酸に変えるときも体の中で化学反応を起こしています。ちなみにですが、たんぱく質が焼けて臭くなる原因はたんぱく質のアミン基(-NH2など)ではなく、そこについている硫黄分が原因と言われています。生物は化学と物理の応用科目でもあり、有機化学の分野と大きくつながっています。他の理科科目と化学と生物を関連付けて勉強するのも一つの方法です。