坂道は上るもの

乃木坂46についてメインに書いていますが、時折、勉強や旅行や法律問題についても書いています。乃木坂46のファンの行動についても統計分析を行っています。

これであなたも分析上手!?

 

 

はじめに

  • もうすぐ、期末のレポート課題の提出などがある時期ではないでしょうか。以前、レポートの構成について書きましたが、今回はレポートの続編のようなものと思ってください。前回のレポートの書き方では、レポートの基本構成である先行研究レビュー→先行研究の課題点→リサーチクエッション→仮説→論証という順番になるということについて書きました。前回書き漏らしていましたが、論証の後は結論と含意になります。含意は結論や論証から得られた結果から見える予想や期待で検証の必要性はありません。今回は、論証の部分を少し詳しく書こうと思います。僕のブログをよく読んでくださっている方からすると、いつもブログで書いている内容を思い浮かべると思います。一般教養のレポート課題であれば、ブログの内容を少し足したぐらいでいいですが、専門科目や卒論になると、もっと深く掘り下げないといけません。ブログではそこまでの気力が、、、(笑)。では、どのように論証すればいいか見ていきましょう。

 

どの方法が好き?

  • 論証方法は主に2つあります。1つは原因を特定する方法で、もう1つが原因を取り除いていく方法です。原因を特定する方法は理科の実験などで行われます。試験管の中にある液体に試薬を入れて反応を見て、試験管の中の液体を分析する実験や光合成の実験で用いられる方法です。この方法は原因をある程度絞り込めている場合に有効ですが、原因がどれかわかっていない状態で行うのは至難の業です。人文科学系でも心理学の実験や以前行ったアンケート調査による実験でよく行われています。実験ではある一部だけ変えて他の要因を一緒にします。つまり、変えている部分が結果に影響を及ぼすことがある程度推測されていることがわかります。僕が回帰分析を行って要因がこれになりますと言っているのもある程度要因に目星を付けているからです。目星を付けていな状態で回帰分析を行うとひどい分析になってしまいます。実はたまにそうなっていることがあります(笑)
  • 次は原因を取り除く方法です。この方法は数学の背理法に近い考え方です。背理法は与えられた命題を否定して論証する方法です。最後に否定した結果が命題を肯定することができないので、元の命題が正しいといった論証方法です。よくあるのが「√2+√3が無理数であることを証明せよ」でこの式を有理数と仮定し2乗したけれども、√6が出てきて、√6が無理数だから√2+√3は有理数ではなく無理数だといった方法です。これだけ見ると1つ目の原因を特定する方法と変わらないと思われますが、この場合は、有理数無理数しかないので原因が特定されています。実際は2つの概念だけでなく複数の要因が存在します。なので、背理法のように命題を否定して論証することで、その命題を否定したときの要因が間違っていることになります。実際のレポートでは漠然とした段階で論証を行うこともあるので、要因を取り除いていく必要があります。要因の特定だけでなく、要因の排除も重要な論証になります。それも1つの成果です。
  • この2つの方法は好みと経験によるところが大きいと思います。漠然とした内容であれば原因を取り除いていく方法がいいでしょうし、的を絞っているなら原因を特定する方法の方がいいです。この論証方法にはこの分析方法といったものはありません。実験や統計分析やインタビュー調査などはどちらの論証方法を支えるデータです。データの使い方次第でどちらの論証方法にも使うことができます。分析と論証方法のリンクを誤るとレポートが支離滅裂になってしまうので気を付けてください。

 

分析で気を付けること

  • 分析は先ほど紹介した論証を支える部分になります。分析をするうえで気を付けないといけないことがあります。「風が吹けば桶屋が儲かる」のように飛躍した論理に基づく分析です。この手の分析をする人が意外にも多いです。このことわざには結論に至るまでの間に数多くの論証過程が存在します。風が吹くと、土ぼこりが立ち、その埃が目に入り、目が悪くなる人が増えます。そして、目の悪い人は三味線を弾いて生計を立てようとする人が増え、三味線の胴の皮が猫の皮から作られているので猫が町中からいなくなります。猫がいなくなるとネズミが増え、そのネズミが桶をかじり、新しい桶を買う人が増えるというお話からこのことわざが生まれました。最終的は風が吹けば桶屋が儲かりますが、その間に数多くのステップがあることがわかります。そのそれぞれの事象と関連についてしっかり分析しないといけません。飛躍した分析をすると人の目を引きますが、それに中身が伴っていないと人に引かれてしまいます。結論として飛躍した論理になったとしても、それを繋ぐ論証や分析がしっかりできていれば、問題がありません。「風が吹けば桶屋が儲かる」は貨物列車のようにしっかりと繋がっているので、どこか1つでも欠けるとその部分から後ろはリンクすることなく放置されます。頭の部分が動力となって引っ張っているだけなので、最後尾までしっかりと引っ張りましょう。

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こうやって分析してみよう

  • 僕がよく行っているアンケートは要因をある程度想定しながら行っているので、原因を特定する方法です。その方法がうまくいかなかったのが、2期生推しメンアンケートです。結論は他のメディアの出演が影響を与えていることにしましたが、列挙した要因以外が投票要因でないというのが真実です。他のメディア出演は半ばこじつけです。2期生推しメンアンケートは原因を取り除く方法になります。こじつけた僕が言うのもなんですが、レポートではこじつけはせずに列挙した要因が影響を与えていないことがわかったという形でしめくくるのが一番綺麗です。要因がわからないことが悪いのではなく、論証過程に問題がないに焦点が当てられるので、僕の2期生推しメンアンケートをレポートで出せば、論証過程に問題があるとして単位はもらえないでしょう。レポートは結論よりも結論を導く論証過程が重要です。
  • 以前取り上げたバラエティー女王の内容で肉体系バラエティー女王と思想系バラエティー女王の2種類に分けることができると書きました。肉体系バラエティー女王のほうが、人気があるという結果になりました。アンケート結果からファンは肉体系バラエティー女王を求めているのだという結論にすることも可能です。しかし、この分析には大きな落とし穴があり、他の調査で要因として挙げられたメディアへの露出や選抜回数などが考慮されていません。今回の調査でメディアへの露出や選抜回数の関係性について調べる必要があります。肉体系バラエティー女王を求めているのであれば、それらの要因が無関係であると言えるからです。裏を返すと、今回の調査ではメディアへの出演や選抜回数が得票数に影響を与えていないことを証明しなければなりません。メディア出演や選抜回数が無関係である証拠がなければ、メディア出演や選抜回数が影響を与えていると考えるのが妥当でという結論になります。この場合はそれらの要因の関係性をしらべるだけなので、それらの要因が得票数に関係あるかないかという結論になります。従来通りの要因が働いていることがわかったというのも1つの結論です。
  • 大学などでアンケート調査の課題などもあるかと思いますが、アンケート結果をだた一覧表にするのではなく、できれば統計分析を行って因果関係の推定をしてみてください。Twitterのアンケートとは異なり細かい項目のアンケートを作ることができるはずです。アンケート結果の分析を行うと回答者の傾向であったり、行動パターンであったりが見えてきます。それぞれの要因がどのように作用しているかを分析すると見えてくると思います。それらの関係性についても調べてみてください。

 アンケートに答える人のイラスト(男性)

 

最後に

  • 今回紹介した分析や論証方法は代表的なものです。細かい分析方法を挙げればきりがありません。データの分析を行うことで論証の方向性を決めることになります。分析を行うときは何かすごい要因を見つけようと思ってしまいがちですが、そんなに突拍子もない要因を簡単に見つけることはできません。陳腐な結果になってしまうと思ってしまうかもしれませんが、それはそれで世間一般的に考えられていることは間違っていなかったという証明になります。定説は100%正しいのではなく、今ある中の理論では正しいとされているだけで本当は間違っていることだってあり得ます。16世紀のヨーロッパでは天動説が主流で、地動説は間違っているとされていました。今では地動説が正しいとされています。世間で考えられていることと違う結果になった場合は、なぜそのようなイメージが定着したかについて考えることができ、内容としては面白いですが、分析がさらに必要になります。以前に紹介した乃木坂46ファンのアイドルと乃木坂46に対する恋愛禁止を求めるかどうかの調査がまさしく、世間のイメージとは逆でした。この要因について、はっきりとした要因は分かっていません。この要因について、はっきりとした要因は分かっていません。推測にはなりますが、アイドルファンのアイドル像は従来のような神秘のベールに包まれたような存在ではなく、同じ人間であり、年頃の女性が恋愛するのは当たり前と思っているからだと思います。アイドルの恋愛発覚で騒ぎ立てているのは一部のファンだと言えます。調査結果を分析し、与えられたテーマに対してどのような結論を出すかは書き手の腕の見せ所です。分析はレポートだけでなくても普段の生活や人の行動を読むことからもできます。普段からそのような癖をつけるとデータに落とし穴に気づくことができます。