坂道は上るもの

乃木坂46についてメインに書いていますが、時折、勉強や旅行や法律問題についても書いています。乃木坂46のファンの行動についても統計分析を行っています。

甘い話に騙されない

 意識高い系の人のイラスト

はじめに

  • みなさんは何かの勧誘をしたことやされたことはありますか?僕はどちらもあります。勧誘をしたことあるのが、サークルなど新歓です。僕は勧誘をするのが非常に苦手だと、大学のときにすごく思い知らされました。なんせ、人見知りが激しいものでして、、、(笑)。されたことがあるのが宗教やマルチ商法です。勧誘もある程度のラインであれば、不快でもなく話を聞こうと思います。そして、そこで新しい発見が生まれることもあります。しかし、その一定のラインを越えた勧誘やいかにも怪しい勧誘は不愉快極まりありません。僕もわけのわからない勧誘をされて不愉快な気分になったことがあります。今回はマルチ商法とそのようなものにハマる人の特徴などについて僕の経験談を交えながら書いていこうと思います。実は社会人だけでなく、大学生もマルチ商法のターゲットになってしまうことがあるので、気を付けてください。今回の内容は副業ビジネスを全否定するような内容ではございません。

 

マルチ商法とは

「『連鎖販売業』とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下この章及び第五章において同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章及び第五十八条の二十一第一項第一号イにおいて「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の主務省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章及び第五十八条の二十一第一項第四号において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章及び第五十八条の二十一第一項第四号において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。」特定商取引法第33条

  • つまり、個人が勧誘員(兼販売員。以後、省略)として勧誘し、新たな勧誘員を増やしていき、商品やサービスを連鎖的に拡大する商売のことです。昔はねずみ講と言われていましたが、現在はねずみ講が禁止され、商品やサービスを扱うことで、合法となっています。勧誘商法はお店などの対面販売に比べて、買主の購買意思が制限されてしまうリスクがあります。そのため、勧誘員が店頭以外で説明するような販売方法(訪問販売、電話勧誘など)では、実際の店頭で買ったり、アマゾンのようなサイトで買ったりする場合に比べて、諸費者の購買意欲は低いです。さらに、その消費者を保護するために特定商取引法で勧誘や販売や解約について規定されています。多くの勧誘員は特定商取引法に抵触する可能性のある勧誘をしています。違法な勧誘であることを指摘して撃退することもできます。

 

勧誘の特徴

マルチ商法の勧誘のイラスト

  • マルチ商法の販売員はどこにでもいます。不特定多数の人が集まる場所、つまり、街コンやよくわからないパーティーセミナーで出会うことが多いです。不特定多数の人と怪しまれずに連絡先を交換できるような場所に現れます。最近ではSNSマッチングアプリにも潜んでいます。僕の感覚では、SNS上ではTwitterが一番マルチ商法系の勧誘が多いです。彼らははじめ、マルチ商法の勧誘員であることを伏せて近づきます。街コンではマルチ商法の勧誘(ビジネス系の勧誘)目的で参加していることがバレると即退場、ひどい場合にはブラックリスト入りし二度と参加できなくなります。連絡先を交換し、後日連絡を取り、実際に会ってみるとマルチ商法の勧誘をされるということはよくあります。僕もそのケースに何度か引っかかっています。
  • マルチ商法の勧誘であることを伏せて会う約束をし、実際に会ったときに、マルチ商法の勧誘をします。実はこの行為は特定商取引法違反になります。違反をすると、勧誘員ではなく、その会社が業務停止などの行政処分を科せられることになります。違反していることを警察や消費者センターに通報してください。彼らはマルチ商法を行っている会社から厳重な処分を下されることになるでしょう。基本的に勧誘してくる人は末端の勧誘員で、会員を増やしたくて必死で、特定商取引法に違反していることが大半です。マルチ商法の勧誘をされたときに「会う約束をしたときには、マルチ商法の勧誘することを伏せていましたよね?犯罪ですよ」と言えば、相手は引き下がります。ラインなどの証拠があれば、相手を追い込むことができます。

 

勧誘に必死で充実などしてない

在庫を抱えた人のイラスト

  • マルチ商法の勧誘員は大量に商品を買い込み、売る相手がいなければ単なる負債になってしまうだけなので、売る相手を見つけるのに必死です。つまり、勧誘時の言葉は勧誘相手に向けているだけでなく、自分自身に言い聞かせている精神安定剤的な役割を果たしていると考えられます。幸せになる壺を売っている人はたいてい不幸そうな顔をしているのと中身は同じです。彼らは甘い言葉で我々を勧誘してきますが、彼らは自らの生活苦を逃れようと必死で、勧誘相手のことを考えていないことが伝わってきます。そして、彼らはマルチ商法のデメリットを絶対に口にしません。デメリットを口にすることで、精神安定剤としての役割を失ってしまい、生活苦に陥っている現状を受け入れざるを得なくなってしまうからです。できる営業マンはメリットだけでなく、デメリットまでしっかり説明をしてくれます。デメリットを相手に伝えることで、相手に正しい認識をしてもらうだけでなく、誠実さも伝わります。マルチ商法の勧誘員にはそれが欠けているため、胡散臭いと思われてしまいます。対比の構造を作ることで相手への説得力がより増します。黒色を黒いことを示すために白いものを横にならべて黒をより目立つようにするのと同じです。
  • マルチ商法に勧誘する人は多くの場合「今の仕事、収入で満足していますか?」、「新しいつながりを持ってみませんか?」と言ったいかにもといった言葉で勧誘してきます。そして、自分の体験談を語ります。たいていの場合は、「引っ込み思案な自分を変えることができました」「昔とは比べものにならないぐらい生活が楽しいです」と言って勧誘してきます。しかし、本当に生活に余裕があり、充実している人はわざわざそのようなアピールを見知らぬ人間にしてきません。インスタグラムなどのSNSリア充アピールをする人と同じ心理で、自分に言い聞かせているのだと思います。そして、彼らは『金持ち父さん、貧乏父さん』を勧めます。もはや、この本は勧誘員のバイブルになっています。この本では資産を持つことが重要で、お金がお金を生むシステムを自分で作ることについて書かれています。資産形成を始める上では、入門書のような本と言えます。勧誘員はこの本を引用し、「権利ビジネスでお金を稼ごう」と勧誘します。後述しますが、勧誘員の誘い文句は自分で考えた言葉でないが大半です。彼らは自分の言葉で勧誘することはほとんどありません。

 

勧誘員の心理

怪しい儀式のイラスト

  • マルチ商法の勧誘で、勧誘員がよく口にする「すごい人(彼らの元締め的存在)」がいて、彼らはその「すごい人」を絶対視しています。彼らにその人が、なぜ「すごい」のかをよく分かっていないことが多いです。なぜ「すごい」のかと聞くと、だいたい「本にたくさんの本を読んでいる」や「何でも知っている」といった答えが返ってきます。彼らはその本がどんな内容の本なのかを聞いても、「すごい本」としか返って来ず、どのような本を読んでいるかについて理解していません。そして「何でも知っている」のはその勧誘員よりも上の地位にいて、在籍期間が長いので、その勧誘員よりはマルチ商法について詳しいのは当然です。彼らには情報を精査する力がなく、絶対視する人の言うことが正しいと思っていて、筋の通っていないことでも正しいと思ってしまいます。僕もある日、中学時代の知人からいきなり連絡がマルチ商法の勧誘をされ、今書いたことがそのまま当てはまるような教科書的な事例でした。
  • 今やっている方法でお金が稼げて生活が変えられると「すごい人」に言われ、その通りにやっているのに報われない自分を認めたくありません。それを認めてしまうと、「すごい人」を信じてきた今までの自分をすべて否定することになるだけでなく、自らの判断基準を失ってしまいます。アイデンティティーの喪失と言っていいほどの事態に陥ります。彼らは自らの判断を他人に委ねていることがあり、その人が自らの行動基準になっています。これは洗脳された人が陥る心理です。何かにすがり、その結果、あるものに異常に執着し、依存してしまいます。あることをきっかけに洗脳者が被洗脳者に気を向けさせます。洗脳は外部との接触を徐々に減らし、最終的は遮断し洗脳者が被洗脳者を絶対的であると信じ込ませます。マルチ商法の勧誘員もマルチ商法の他の勧誘員や幹部との接触機会を増やします。勧誘員は勧誘をすれば友人がいなくなり、さらに他の勧誘員や幹部をより慕うようになり、そして勧誘をし、友達がまた減っていくとサイクルが生まれます。マルチ商法の勧誘員以外との関係を少なくし、彼らの勧誘で昔からの友人はいなくなり、ついにマルチ商法の勧誘員だけが自分の周りにいるという状態を作り出します。そうすることで勧誘員の洗脳は完了し、街コンなどの不特定多数の人がいる場所に足を運ぶのです。そして、彼らは自らの負債をなくすためだけに、崇拝している「すごい人」に言われた言葉で今日も勧誘しています。

 

危険!不安に漬け込む勧誘

  • マルチ商法などの勧誘は不安に陥っている人にとっては救いのような言葉であることがあります。これはマルチ商法だけでなく、詐欺まがいな悪徳商法や宗教にハマりやすい傾向があります。テロ組織の末端戦闘員はテロ組織に勧誘された際に「生活を保障する」といったような言葉で勧誘し、戦闘員になったというデータがあります。これはどのような組織でも勧誘する際に使われる手法です。藁にもすがる思いでいる人がマルチ商法などにハマるのは不安を拭いたいからです。仕事の都合で東京に住んでいたころ、マルチ商法の勧誘を何回もされました。相手の素性を知らずに東京に出てきて日が浅いことを伝えると、勧誘員はすかさず「いろんな人とつながりを増やして、充実した生活にしませんか?」と言ってきました。何も知らなかった僕はその勧誘員の話に聞き入りました。途中でおかしいと思い、話を聞いていくと、マルチ商法の勧誘だと気づきました。不安に漬け込んだ勧誘は社会人だけでなく、大学一年生や就活生にも起こり得ます。大学一年生は宗教に勧誘されやすく、就活生はいかがわしい就活塾の勧誘に遭います。極度の不安に陥ると人間は正常な判断ができなくなってしまうため、普段、胡散臭い話に耳を傾けないような人でも注意しなければなりません。彼らはその隙を突いてきます。不安なことがあるかもしれませんが、その不安が一瞬で消え去ったり、すべてがうまくいったりするようなことはありません。何事も段階を踏んでよくなっていくものだと思います。

 

 

最後に

  • 僕がマルチ商法の勧誘に初めて遭ったのは社会人一年目の東京にいたころです。マルチ商法のようなビジネス系の勧誘は噂には聞いていましたが、半ば都市だと思っていました。勧誘されたときに思ったことは、本当にこういう人たちがいるのかと思いました。彼らは会社での労働というシステムや日本という社会に対して否定的な考えを持っていて、ひどい場合には労働=搾取とまで言う勧誘員までいます。彼らはマルチ商法を行っている会社で労働をし、販売利益をその会社にしっかり搾取されています。そして、彼らは日本社会の一員として働いています。一番の問題は自分が否定していたシステムの中にどっぷり浸かり、そのシステムに利用されていることに気づいていません。僕の大好きなYouTuberのFラン大学就職チャンネルさんの動画で今回の内容を端的に表した動画があります。彼らはこの動画の資本家になったキリギリスになろうとして、アリであることをさげすんでいますが、実は誰にも相手されないもう片方のキリギリスになっているのです。


youtu.be

  • ビジネスで成功されている方は自分のためだけでなく、誰かのためにされているという熱意を感じます。マルチ商法の勧誘をしている人たちにはその熱意はなく、自らの生活苦を脱したいという気持ちだけでやっているように思えて仕方がありません。自分のためだけに動いているようにしか思えません。どのような仕事においても、地道に努力しなければ、花が開くことはないですし、一発逆転もないと思っています。何の努力なしに評価をされるようなことはないと思っています。「これがあれば、絶対に大丈夫」というものは存在せず、自分の持っているものをいかにうまく使うかだと思っています。