坂道は上るもの

乃木坂46についてメインに書いていますが、時折、勉強や旅行や法律問題についても書いています。乃木坂46のファンの行動についても統計分析を行っています。

アイドルを通じて、少し考えてみません

 

 

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はじめに

  • ドイツにいたころ、初めてムスリム(イスラーム教徒)の友達ができ、彼らと行動を共にすることがありました。アラーに祈りを捧げる彼らは宗教に依存しているわけではなく、宗教を心のよりどころにしていました。その数年後、僕は乃木坂46にハマりました。乃木坂46にハマっていくうちにあることに気づきました。それはアイドルを推す行動と宗教を信じる行動は近いのではないかと思うようになりました。友達もいない慣れない土地に転勤した、その時に乃木坂46にハマり、心のよりどころを見つけたような気がしました。無宗教と言われて久しい日本人ですが、実はアイドルが日本人にとっての宗教であり、心のよりどころではないでしょうか。宗教への勧誘ではなく、アイドルを推す姿から宗教への信仰する姿を捉えていこうと思います。

 

 

宗教とは

  • 宗教とは「神や仏などの超越的存在や聖なるものに関わる営み」と国語辞典で定義されています。人間には限界があり、人間では計り知れないことを神仏のみが知っているからこそ、神仏を敬い、崇めるといった行為が生まれたと考えられます。昔話で天変地異が起こったときに、神の祟りとよく言っていたのも一種の宗教間の表れです。自然は人間にはどうすることもできない存在であったことを表しています。日本人は自然を敬う宗教観があり、ご飯を食べるときの「いただきます」はまさに自然への敬意を表した言葉です。欧米のようなキリスト教圏では食べ物に対する感謝の気持ちを述べる言葉を食事前に言うことはありません。一緒に食事をする人に言うのが基本です。日本と欧米では大きく異なります。国によってメインの宗教は異なりますが、宗教を信じる態度は万国共通です。

 

 

アイドルと宗教の信仰の関連

信仰態度

  • 宗教を信仰する行動は熱心な信仰と熱心ではない信仰の2つに分けることができ、他者に対する信仰の強要の有無の2点を組み合わせると図のようになります。熱心な信者は毎日礼拝をしている信者とします。熱心でない信者は時折礼拝を行う信者とします。熱心な信者も熱心でない信者も信仰のためにアクションを起こします。何も信じずアクションを起こさない人を今回は無宗教と定義します。熱心な信者を敬虔な信者と言いますが、敬虔な信者は他者への強要はしません。他者への強要は原理主義者がよく行っています。ちなみに強要と勧誘は別物ですが、行き過ぎた勧誘は強要になります。熱心でない強要しない層が非常に多い層と考えられます。この層は敬虔な態度に近い人から無宗教に近い一応信じている人まで幅広く存在し、この層でもさらに分類することができますが、今回は割愛します。熱心でないのに強要することはあるのかと思われるはずです。この層はあまり多くありませんが、すべてを無批判にとらえる低学歴層に多い傾向があります。何かいいことがあれば、神仏のおかげと思うことが多い層です。都合のいい時だけ信じ、そのいいことがあれば、他の人にもいいことが起こると思い、薦めることが多い層です。宗教の行き過ぎた勧誘を行うのはこの層と考えられます。よく目立つのは信仰の強要を迫る層でしょう。

 

 

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信者分類図

 

アイドルを推す態度

  • さて、信者の層をアイドルに当てはめて考えていきたいと思います。熱心なファンは推しているグループや推しメンのグッズを買ったり、イベントに参加したり、その他サービスに加入したりしています。熱心でないファンは大きなライブに参加し、グッズもライブのときに買うぐらいです。アイドルでも推メンのために何かアクションを起こすことが、ファンであるかどうかの一つの境目になります。この行動に関しては能動的か受動的かを問いません。能動的なファンほど、熱心なファンが多いです。アイドルでも熱心の軸に寛容的かどうという軸を追加すると図のようになります。熱心なファンはよくいますが、そのファンが他のアイドルグループを軽蔑するような言動をしていると原理主義者と変わりません。ファン同士でのトラブルが取沙汰されるのは排他主義者が起こしているものが多いでしょう。熱心なファンでも他のアイドルに対して、侮蔑的な言動をせず、他のアイドルに対して寛容な人も大勢います。彼らは熱心なファンというより敬虔なファンと呼ぶにふさわしいと思います。皆さんはどの層に当てはまりますか?

 

 

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アイドルファン分類図

 

宗教は怖いものではない

  • 宗教と聞くとなぜか怖いというイメージがどこか付きまとってくるはずです。それは無批判にすべてを受け入れ、神仏のお許しの下、すべてを正当化して行動していると思われているからです。本来宗教は道徳的規範であり、倫理的に逸脱した行為を認めません。しかし、それを解釈一つで正当化できてしまう力があるのも事実です。イスラーム教の「ジハード」は「聖戦」と訳され、テロ行為を正当化しています。ジハードの本来の意味は「神への努力」であり、ジハードとはイスラーム教の信仰を否定されたときの抵抗権であり、自分の心情を守る手段であり、他者にイスラーム教を強要するツールではありません。ドイツで知り合ったムスリムの友達は過激派組織のせいで冷ややかな目で見られると嘆いていました。
  • アイドルでも同じことが言えます。自分の推しているアイドルを無批判に受け入れ、他のアイドルを好きな人を軽蔑する行為や同じアイドルが好きな他の人から執拗以上に交換を迫ったり、暴力行為に及んだり、推しているアイドルに対する批判的な意見を一切認めなかったりする思想は原理主義者と同じ思想と言えます。グッズを集めたり、自分の信念を他者に強要したりすることでアイドルグループへの愛情を表現していると勘違いしているからです。そしてこのような人のせいで他のファンに対して迷惑を掛けます。去年のバスラで暴力沙汰のトラブルがあり、Twitterでは「乃木ヲタ怖すぎ」といった書き込みが見られました。実際このようなトラブルを起こして誰もいい気持にはなりません。推されている側のアイドルも申し訳ない気持ちに苛まれます。彼らの行動は独りよがりに過ぎません。何より周りに迷惑をかける行動です。アイドルは英語で偶像という意味があり、ファンの行動からも一種の宗教性を帯びていると言えます。宗教でもアイドルでも重要なことは他者へのリスペクトです。それを欠くと過激な方向に進んでしまいます。

 

 

最後に

  • アイドルを推すファンの行動や思考が、宗教を信仰する姿に近いものを感じ、アイドルを題材に宗教の信仰態度について書こうと思いました。これから国際化が進んでいくなかで一番重要なことは言葉ではなく、宗教への理解です。宗教への理解は他者へのリスペクトであり、他者を理解する近道です。言葉が話せても宗教への理解がなければ、深い部分でのコミュニケーションはできません。僕のブログを読んでくださっている方の大半は乃木坂46と旅行好きの方と推測されます。そのため、外国に行くときに一助になれば嬉しいですし、アイドルを通じて宗教への理解を深めていただきたいと思いました。世界で起こっている宗教絡みのニュースを見て、アイドルを推すファンの行動に置き換えると難しい話ではなく、少しは簡単に思えると嬉しいです。アイドルと宗教への信仰の共通点から新しい発見ができればと思います。